Adobe Acrobat不要!無料でPDFを編集、変換、署名、OCRまでできてしまう新時代のソフトが最強すぎた【Stirling PDF】
私、GitHubで探検するのが若干の趣味になっておりまして、たまたまPDF操作ツールとしてAdobe Acrobatを超える逸品を見つけてしまったので共有します。
日本語対応もしている無料ソフトなので、PDF関連での出費やセキュリティにお悩みの方は必見です。
概要
ソフト、とタイトルにありますが、実際にはアプリケーションといった方がイメージに近いです。
Dockerというエンジニア御用達アイテムを使うので、システムに慣れない方は若干苦労するかもしれませんが、なるべく分かりやすく解説していきます。
Stirling PDF
アプリ名は「Stirling PDF」。公式説明は以下の通りです(Google翻訳使用)。
Stirling-PDFは、Dockerを使用した、ローカルでホストされている堅牢なWebベースのPDF操作ツールです。PDFファイルに対して、分割、マージ、変換、再編成、画像の追加、回転、圧縮など、さまざまな操作を実行できます。このローカルでホストされているWebアプリケーションは、すべてのPDF要件に対応する包括的な機能セットを含むように進化しました。
とりあえず、PDFの分割・結合・変換・編集・画像追加・回転・圧縮などの機能があるようです。
ブラウザから操作し、インターフェースは以下のようになっています。シンプルで使いやすそうですね。
ちなみに上の英語の画像は公式のもので、日本語にもちゃんと対応しています。(画質が悪くてすみません)
特徴
特徴として、公式より下記が挙げられています。
- ダークモードサポート
- カスタムダウンロードオプション
- 並列ファイル処理とダウンロード
- キュー内で複数の機能を実行するカスタム「パイプライン」
- 外部スクリプトと統合するためのAPI
- オプションのログインと認証のサポート
- データベースのバックアップとインポート
英語を直訳しているので分かりにくいですが、通常利用であれば申し分ない機能性です。
PDF機能
ページ操作や変換などの具体的な機能一覧です。こちらも直訳なので雰囲気だけ感じ取れれば十分です。
本記事では使用方法を取り上げませんが、OCRやWord/PowerPoint/Excel/HTML変換、署名機能など、本当に無料でいいのか?と疑うレベルで凄まじい機能が充実しています。(好評の場合は各機能の使用方法をまとめようと思います)
ページ操作
- PDFの表示と変更-カスタム表示、並べ替え、検索でマルチページのPDFを表示
- さらに、注釈、描画、テキストや画像の追加などのページ上の編集機能
- PDFとそのページをマージ/分割/回転/移動するための完全なインタラクティブGUI
- 複数のPDFを単一の結果ファイルにマージする
- PDFを指定されたページ番号で複数のファイルに分割するか、すべてのページを個別のファイルとして抽出します
- PDFページをさまざまな順序に再編成
- PDFを90度単位で回転
- ページを削除
- マルチページレイアウト(PDFをマルチページページにフォーマット)
- 設定パーセンテージによるページのコンテンツサイズのスケール
- コントラストを調整する
- PDFの切り取り
- PDFの自動分割(物理的にスキャンされたページディバイダーを使用)
- ページを抽出する
- PDFを単一のページに変換する
- PDFを重ね合わせる
変換操作
- PDFを画像との間で変換する
- 一般的なファイルをPDFに変換します(LibreOfficeを使用)
- PDFをWord / PowerPoint / othersに変換(LibreOfficeを使用)
- HTMLをPDFに変換
- PDFへのURL
- PDFへのマークダウン
セキュリティと許可
- パスワードを追加および削除
- PDF権限の変更/設定
- 透かしを追加
- PDFの認証/署名
- PDFをサニタイズ
- 自動編集テキスト
その他の操作
- 署名の追加/生成/書き込み
- PDFを修復する
- 空白のページを検出して削除する
- 2つのPDFを比較し、テキストの違いを表示する
- PDFに画像を追加
- PDFを圧縮してファイルサイズを小さくします(OCRMyPDFを使用)
- PDFから画像を抽出
- スキャンから画像を抽出
- ページ番号を追加
- PDFヘッダーテキストを検出してファイルの名前を自動変更します
- PDF上のOCR(OCRMyPDFを使用)
- PDF / A変換(OCRMyPDFを使用)
- メタデータを編集
- 平準化されたPDF
- JSONとして表示またはエクスポートするためにPDFのすべての情報を入手する
- 埋め込まれたJavaScriptを表示/検出
インストール方法
さて、お待ちかねのインストール方法です。
Dockerのインストール
既にDockerをインストールされている方は飛ばしてください。
ここではWindowsでのインストール方法をザックリと説明しますので、具体的な手順は他のサイト(Qiita「Windows 11にDocker Desktopを入れる手順(令和5年最新版)」など)にお任せします。
Docker Desktopをインストールする
まず、以下のサイトからDocker Desktopをインストールしてください。
https://docs.docker.com/desktop/install/windows-install
青いボタンが2つありますが、選ぶのは「Docker Desktop for Windows – x86_64」の方です。(稀にもう片方を選ぶべき場合もありますが、普通の人はこちらです。)
Use WSL 2 instead of Hyper-V (recommended)
確認画面で「Use WSL 2 instead of Hyper-V (recommended)」にチェックが入った画面が出てくると思います。そちらは必ずチェックをつけたまま、続けてください。
あとは全部OK
残りは何も考えずに「OK」「Accept」「Fin」などのボタンをクリックしていきましょう。
これでDockerの準備は完了です。
Stirling PDFのインストール
インストールというより立ち上げという表現の方が正しい気はしますが、あまり気にしないで進めていきます。
作業フォルダの作成
どこか適当な場所に、空のフォルダを作成しておきましょう。
そこがStirling PDFの作業フォルダとなります。
yamlファイルの作成
何も考えずに、以下をコピーして、先ほどのフォルダに「docker-compose.yml」という名前で保存しましょう。
※分からない場合は一度「docker-compose.yml.txt」などテキストファイルとして保存してしまって、名前の変更で「.txt」を削りましょう。
version: '3.3'
services:
stirling-pdf:
image: frooodle/s-pdf:latest
ports:
- '8080:8080'
volumes:
- ./trainingData:/usr/share/tessdata # Required for extra OCR languages
- ./extraConfigs:/configs
# - ./customFiles:/customFiles/
# - ./logs:/logs/
environment:
- DOCKER_ENABLE_SECURITY=false
- INSTALL_BOOK_AND_ADVANCED_HTML_OPS=false
- LANGS=en_GB
Stirling PDFを立ち上げる
ここまで準備が完了したら、先ほどのフォルダをエクスプローラーで開いた状態で右クリックし、「ターミナルで開く」をクリックします。
黒い画面(プロンプト画面)が立ち上がったら、「docker-compose up -d」と入力します。
しばらくすると立ち上げが完了しますので、http://localhost:8080/?lang=ja_JP にアクセスすると、無事に入ることができるはずです。
ちなみに、PCを再起動する度に、「ターミナルで開く」→「docker-compose up -d」は必要になりますのでご注意を。
いじってみた
実際に使っていただければ凄さが体感できるのですが、今回はmdファイルをPDFファイルに変換するという珍しい機能を使ってみました。
使用するmdファイルはコチラ。(ダークモードなので背景が黒くなっています。)
これを変換すると以下のようになりました。
これは素晴らしいですね。動作も一瞬で終わり、超快適でした。
よければ試してみてください。
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