【将棋研究】エルモ囲いvs四間飛車 part02 四間飛車を一瞬で攻略する超優秀な急戦策とは【エルモ囲い】【四間飛車】

2020年3月8日将棋研究,将棋

こんにちは、このめです!

今回はエルモ囲い(elmo囲い)による四間飛車対策を考えていきます。
プロアマ問わず根強い人気を誇る四間飛車に苦戦している方も多いかもしれませんが、対四間飛車で有力な囲いの一つであるエルモ囲いで何とか四間飛車攻略を図りたいと思います。(私は実は振り飛車党ですが、居飛車も指しこなせるようになりたいため、対四間飛車用にエルモ囲いを研究しています。)
【使用ソフト:Kristallweizen TOURNAMENT】

前回の記事はこちらです。

前回の記事では、ざっくりとした内容を書きましたが、今回は四間飛車に勝つための手順を追っていきたいと思います。
なお、今回はすべて先手エルモ囲い・後手四間飛車で検討していきます。

エルモ囲いについて知りたい方はこちら

対4三銀型四間飛車(高美濃囲い)

四間飛車の中でもオーソドックスな4三銀型の構えに対して、エルモ囲いで攻めていく方法を考えます。
ここでは高美濃囲いを想定して進めていきます。

まず、エルモ囲いを完成させた後に考えられる局面を一つ一つさらっていきます。

仕掛けるタイミング

以下は前回の記事でも紹介した棋譜です。

30手目に後手が6四歩と突き、高美濃囲いを目指しています。
前回も紹介したように、この手で互角の局面から先手300点程度に評価値が振れます。

なぜ6四歩が悪手なのか

△6四歩と指した局面ですが、ソフトは「1手遅れることでエルモ側の攻めに対応しにくくなる」と読んでいるのかもしれません。
以下で確認していきましょう。

自然な手が続くように見えるが・・・

アマチュア級位者によく見られるのが以下のような進行。
31手目で先手が3五歩と仕掛け、△同歩▲同銀△3四歩と、後手が角の頭を守ろうとします。

実は34手目の3四歩打は大悪手(後手-1800点)。先手は3五の銀を引かずに2四歩と攻めることができます。
以下どのように進行しても、2筋が突破されるか、上の棋譜のように2三の歩の拠点と馬を作るのを防ぐことができません。

3四歩打に変えて2二飛ではどうか(34手目)

3四歩打が悪手であれば、他の対応ではどうでしょうか。
34手目で2二飛と向かい飛車に振り直してみましょう。

△2二飛車には▲2四歩△同歩▲3四歩打とすれば攻めが繋がります。
以下、何もしなければ次に角取りですので△4二角や△5一角と引きますが、▲4四銀△同銀▲同角で角が飛車に当たって厳しいです。
42手目で△3二飛には▲1一角成△3四飛▲3七歩打で問題なく、△3三歩打には上の例のように▲同歩△同角▲同角△同桂▲3四歩打が厳しくなります。

最善の一手は・・・(34手目)

上の検討でざっくりと3四歩打や2二飛では厳しいようだと分かりましたが、それでは34手目は何か最善手なのでしょうか。

ソフト最善手は3二飛。しかし3二飛と回った時点で先手が500点ほど有利な模様。
実戦的にはまだまだわからないものの、ここで3二飛とするのであれば、6四歩と高美濃を見せる前に3二飛とする方が合理的です。

結論

対4三銀型四間飛車で、相手が5四歩から6四歩と高美濃囲いを見せた場合、エルモ側は有利(相手の応手によって勝勢)となることがわかりました。(もちろん最善手を続けた場合なので、こちらが対応を誤れば苦しくもなります。)

長くなりそうなので、今回はここまで。
次回は5四歩から6四歩ではなく、先に6四歩として高美濃囲いを見せられた場合を検討したいと思います。

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