【将棋研究】エルモ囲いvs四間飛車 part03 続・四間飛車を一瞬で攻略する超優秀な急戦策とは【エルモ囲い】【四間飛車】

2020年4月17日将棋研究,将棋

こんにちは、このめです!

今回もエルモ囲い(elmo囲い)による四間飛車対策を考えていきます。
プロアマ問わず根強い人気を誇る四間飛車に苦戦している方も多いかもしれませんが、対四間飛車で有力な囲いの一つであるエルモ囲いで何とか四間飛車攻略を図りたいと思います。(私は実は振り飛車党ですが、居飛車も指しこなせるようになりたいため、対四間飛車用にエルモ囲いを研究しています。)
【使用ソフト:Kristallweizen TOURNAMENT】

前回の記事はこちら

前回は、対4三銀型の高美濃囲いの中でも、5四歩→6四歩として高美濃を目指す指し方への対策を見ていきました。
今回は先に6四歩と突いてきた場合を検討していきます!

エルモ囲いについて知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。

対4三銀型四間飛車(高美濃囲い)(前回の続き)

6四歩を見て攻める

今回も高美濃囲いを目指す指し方への対応を考えていきますが、前回とは違い、先に6四歩とする指し方に対してを見ていきます。

△6四歩に対しては、前回同様▲4六銀とするのが正解。△5四歩なら前回と同様の進行でエルモペースとなります。

この棋譜を通してわかるように、エルモ囲い側には意外と隙がなく、後手側が唯一狙えそうな5五角も、5筋の位を取られているため打てません。
対する四間飛車側は、8筋の歩交換をした後に3一角と打てる隙があったり、6四の歩が浮いていたり(すぐに怖くはないが単純に歩損が痛い)と、対応を誤れば一気に劣勢となりそうな局面が多いです。

さて、本棋譜では△6四歩▲4六銀に対して△3二銀と受けました。
この手は消極的なようにも見えますが、エルモ側からの3筋からの攻めに備える意味合いがあります。以下の画像がわかりやすいでしょう。

角交換に対して同銀を用意したことで、攻めをきれいに流しています。
エルモ囲いでは頻出の、四間飛車側が飛車先の歩を突いて銀を狙い、エルモ側から角交換をして銀を引くという流れ。これは3筋の歩を突いた後では、銀を引いた後に四間飛車側が歩を取れることになり、300点程度有利だったのが一気に0点の互角まで下がるため注意が必要です。

棋譜の分岐(40手目で高美濃囲いを目指した場合)

先の棋譜の40手目で6三銀という手がありましたが、一見して6三金と高美濃囲いを作る手が良いようにも見えます。しかし、この場合は6三金は悪手となるようです。
以下の棋譜を見てみましょう。

エルモ側の8六に引いた角が、今度は7七を狙うため、これを受けるために6一の金が動かなければなりません。
これではほとんど手損と同様なので、この場合は6三金ではなく6三銀とするのが良いのですね。

いきなり角交換を迫られた場合

先程の棋譜では△6四歩▲4六銀に対して△3二銀と受けましたが、これに代えて△4五歩と角交換を迫ってきた場合を見ていきましょう。

先程に比べて難しくなりましたが、相手の方が手を見つけづらく、最善手を指し続けてもエルモ側が指せるようです。
詳しい解説は棋譜コメント欄に記載してあります。

三間飛車にされた場合

こちらの記事でも少し紹介しましたが、エルモ囲いは三間飛車に対して有効な手段がなくなることがあります。

これにならって相手が三間飛車に振り直した場合を考えてみます。

3筋に振り直しても、上の棋譜のように、うまいことエルモ側が攻めをつなげることでリードを広げることができます。
また、銀4枚と角1枚を持駒にされているため、終盤が危険であるようにも見えますが、先手玉は詰まないようです。(82手目のソフト評価値は先手2000~2500点)

ちなみに△3二飛▲3五歩に対して、同歩と取らずに△5四銀だと、こちらの記事の一番初めの棋譜に合流します。

結論

結論に至るには網羅し尽くせていませんが、とりあえずここでは以上をもって「エルモ囲いに対して高美濃囲いを目指すのは難しい」と結論づけておきます。
(検討してほしい変化があれば、コメントなどを送っていただければ可能な範囲で対応します!)

実際に、実戦でもエルモ囲いに対して四間飛車側が高美濃囲いを採用した場合、エルモ側が勝ちやすくなることが多いように感じられます。

今回はここまで。
次回は4三銀型四間飛車が高美濃囲いを目指さなかった場合への対応を検討します。

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